貴方しか見えない

わたし

 わたしは、夏目花音18歳。
幼稚園から、女の子ばかりの一貫校で過ごした。両親は、当然の様に、エスカレーターで大学に進む事しか許してくれなかった、と、言うよりは、何故、外に出る必要があるか、と、、、
 この1年は、受験生として、勉強以前に親との壮絶な闘いに明け暮れた。。。
 そして、わたしは、勝った、勝ち取ったのだ。親の説得。これは、親を説得出来ても受からなければ話にならないし、親の出す条件の世知辛さと言ったら全くもって話にならないと言うか。まあ、諦める事前提だから、、、仕方ないのだが。
 わたしは、仙台で生まれ育った。
美しい、古都でもある。あの、新緑の定禅寺通りの欅並木の美しさ。世間で、杜の都と言われるのも然り、と、思う。故郷自慢は此処から始まって仕舞うと終わらないので、強制終了!
 その、仙台の、古くからある名門と呼ばれている仙台白蓮女学院と言う学校を幼稚園から高等部迄終えた。親は当然大学もと思っていたようだ。
 幼稚園は定員40名しか採らない。初等部は外部から凡そ60名募集する。25人の4クラス東西南北で、100名6学年の600名になる。中等部は、補充しかしない為、毎年2.3名しか募集がない。高等部は、採らず、転入の受け入れもしていない。ただ、大学になると爆発的に増え、各学年が500名を数え、大学だけで2000人を超える。高等部から、そのまま大学に進むのは、毎年80名と多いのは、偏差値が地方の女子大の割には61と難関校に挙げられるのもあり、就職率は実に100%を誇る上、何せ、人気だから、だ。
 幼稚園から、大学迄行くと、純白と言われ、殆どが当然の様に進む。初等部からだとホワイト。中等部からだとアイボリーになる。
因みに、幼稚園組は、初等部に進んでから後、ずっと高等部を終える迄東組になる。そこで、問題が起きる。幼稚園組は、40名であり、初等部の1クラスは25人構成だから、15人は東には入れない。5人ずつあとの3クラスに分かれる。この、東組25人は不動ではなく、毎年、前年1年間の全試験の絶対評価で上位25人を選ぶ。外から入って来た人がどんなに成績が良かろうと、東組には入れない。と、言うか、どんなに成績が良かろうと東組25人より成績が優った者が過去1人も居ないと言う現実がある。それは、幼稚園に入る時にIQテストを受けて40名を選抜した上で、幼稚園の3年間で、英語は日常会話レベルはマスターしており、国語・算数は小学校3年を終えているからだ。初等部に上がる際、やはりもう一度IQテストと、国語算数英語の入学試験を受けて上位25人が決められる。
 東組は、初等部に上がった時から、あらゆる意味で英才教育が続く。故に、99.9%東組は東組でしかない。
 暢気なお嬢様学校と思われがちだが、実は模擬試験の上位を常に占めてもいる。
 東組は特別で、26位以下を卑下しているかのように、外部生は思うようだが、実は、思う暇が無い程厳しいカリキュラムの中で日常を送っていて、愚痴る暇すらないと言うのが本音なのだ。それに、、、わたしの経験で言えば、初等部1年以来のクラスメイト以外と親しく会話する事はまず、無いので、思う事が、なくなるのかも知れない。東組は、何年生になっても、校舎がほかのクラスとは離れてをり、物理的に会う事がないのだ。つまり、初等部の1年から、高等部の3年迄、学院内の東側に位置した場所に桜並木に隔てられた場所の建屋にいるから、とも言える。故に、入学式、卒業式、始業式、終業式位しか、他のクラスと合わない。のだ。
 そして、純白の東組は、環境から「純白の櫻」と呼ばれる。しかしながら、殆どが、留学若くは他大学へ行く者が多い為、「純白の櫻」だけは、初等部1年から、そう、呼ばれている。
うう、、、学校案内になってしまった、、、




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