脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
「…はあ」
愛用するノートパソコンの前で、私、千堂瀬那は思わずため息を吐いてしまう。
まあ、仕方がない。
姉である七瀬が船に閉じ込めているのだから。
しかも、爆弾を抱えている船に。
「それにしても…」
犯人の狙いとは一体何なんだろうか。そしてなぜ二人に希望を用意したのだろうか。
考えれば、考えるほど疑問が多く沸き上がってくる。
永遠と考えても仕方がない。
私がまず、出来ることは…。
あごに人差し指を当てて、雑然とした頭の中を整理する。
「まずは、この事件について知ることからかな」