which?



弘樹の足が止まった。


それに合わせて、私も足を動かすのをやめる。



「…えーっと…」


少しだけ面倒くさそうに頭を掻く弘樹。



……あれ?


そんなに迷うこと?



目の前に、一応だけど彼女がいるんだよ?


嘘でも彼女の名前を普通は言うもんじゃないの!?



イライラと不安で押し潰されそうな私に、目の前の弘樹はやっと口を開いた。



「…分かんねーよ…」


「……は?」


「そんないきなり言われたら、びっくりすんだろーが!!」



何それ、何それ…


まさかの予想外の返答。



これなら……『野球』って言われた方がましかも…




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