which?



何か言いたげな弘樹の表情。



……ごめんね、弘樹。


弘樹に何か言われるのが怖くて中々、目が見れない。


弘樹のあの面倒くさそうな表情が私は、いつも怖かった。



「……これ、忘れ物。」



何かを諭したような弘樹は、私の机に昨日の鞄を置いた。



「…あ…」


「それじゃ…」



そのまま、スタスタと立ち去って行く弘樹の後ろ姿。



弘樹……



もしかして、私の鞄を家まで持って帰ってくれたのかな…


今日は学校まで、鞄をふたつも持って来たの?



目に見えた弘樹の優しさ。


私の鞄なんて、弘樹には全然関係ないじゃん。



昨日だって……


そこらへんに置いて帰ればよかったのに。



また私が後悔しちゃうじゃん…




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