which?
突然、聞こえた声。
この低い声は―…
半分、諦めかけながらも私は起き上がる。
そこにはやっぱり、今ちょうど謝罪をしていた人の姿があった。
あ…やっぱり弘樹か。
何かまともに顔見たの、久しぶりのような感覚だ。
……そっか。
弘樹に会わない日は私の中の時間の流れは遅い。
―…それは、こういうことだったんだ。
「……………」
「結莉?」
待て待て待て!
よく考えると…
何で弘樹が私の部屋にいるの?
弘樹は私の家なんか知らないはずじゃ…
しかも、今日の私はいつもより可愛くないし!
髪だってボサボサだし!
部屋だって、あんまり掃除してないから汚いし!
「……有り得いぃ…」
私は布団を頭から被って、ベッドの中に潜り込んだ。
恥ずかしいよ…
弘樹にこれ以上、駄目な自分を見せたくなかったのに…
また、ひとつ。
弘樹の中での私のイメージが下がっちゃったよー!!
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