which?
「結莉、どーした?」
弘樹がベッドの横に立って、私がいる布団に触れる。
「…何で、弘樹がいるの?」
「住所は三宅に聞いた。」
「……舞に?」
こくんと首を縦に振る弘樹。
そうなんだ……
だから、弘樹が―…
「って…違う!」
今日の私、おかしい。
ひとりで突っ込んだり…
ひとりで突っ込んだり…
でも、弘樹もボケてんの?
私が聞いたのは、なぜ弘樹がいるのかってことで…
住所の場所を誰に教えてもらったのかは聞いてないもん!
「……結莉、覚えてないの?」
弘樹の手が軽い力で布団を剥がそうとした。
それに対抗して、布団を抱きしめるような形で潜り込む私。
さっきの弘樹の言葉…
覚えてないって、何を?
私…何か大事なことを忘れてる?
私が覚えてる最後の記憶は―…睡魔に勝てなくて…
教室で寝たところまでで途切れてる。
その学校から家までの記憶は…?
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