昨日、あなたに恋をした



 今日も完璧だ、と誠孝は思っていた。

 予定通りに起き、予定通りに朝食を作り、軽く掃除をして、身支度を整え。

 ただ、キッチンに立ったとき、日子と一緒に片付けたときのことを思い出し、一瞬、動きが止まってしまったが。

 それ以外は完璧だった。

 だが、ドアを開け、一歩出た途端、誠孝は固まる。

 春物のトレンチコートを着た日子が立っていたからだ。

 颯爽としたOL風の日子は、いきなり、自分にヒールのいい音をさせながら近づいてきて言った。

「時限爆弾が来ますっ」

 はっ?
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