宝くじが当たったら
社会性
 なんだか働くのがイヤになって来た。社会性を維持するために、常識を逸脱しないために、働き続けることは必須と思っていたけれど、そもそもお金があるのだから、社会性を維持して常識的で居る必要があるのだろか。ステイタスを保って常人として居なければならないのは、そうしないとお金が手に入れられないからよね。お金があるのだから、社会性も常識も必要無く行動出来るのではないかな。罪を犯さない限り。
 元々物欲無いし、ブランド物に興味無いし、着る物にも無頓着だったので、外見はお金が無かった頃と全く変わらないのだけれど、行動範囲や金銭に関わる物の見方は明らかに変わった。お金を払って解決出来ることにはとっととお金を遣うようになった。お金が無いことで時間がかかったり、食べたい物が食べられなかったり、行きたい所へ行けなかったりしていた不満は一切無くなった。
 一瞬、車を買おうかとも思ったりした。高校の時から憧れていた車があったのだけど、それは思い留まった。維持費管理費はどうでも良い。単純に趣味じゃなかったから。数名居るボーイフレンドに持たせても良いかとも考えた。けどやめた。自分で車を持てない男に買い与えるのはどうかと思うし、車を必要としない男も居るし。

 12億ってなかなか減らないもんなんだなぁ。
 私の夢はなんだった? お金が無いから夢も捨てたんだったな。どうしよう。この際叶えてみる?
 寄付するって手もあるな。寄付は死ぬ時で良いか。残りを全額寄付する先をみつけておこう。そのうち遺言書を作っておかなきゃだ。
 働けるだけ働いて、病気になったらかけられるだけのお金かけて治して、残りの人生を楽しむだけ楽しもう。お金を遺して明日死んじゃうかもしれないんだから。そう思ったら、こんなにお金があったって完全な幸せを得られるかどうか疑問に思えて来た。
 さて、迷いを捨てて明日からまた沢山お金を遣うぞーーー。(妄想)

              終わり
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