転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
 この手紙と先日の花から感じることはただ一つだ。

「姉さんの言うとおり、私はアルと話し合うべきだわ」

 スーリアはまだ雫が光る花畑に視線を向けた。あの舞踏会の日にアルフォークが差し出してくれたのと同じ、赤色のチューリップが美しく咲いている。あの時、スーリアはアルフォークの中に確かに愛情を感じたのだ。
 
「アル、どうしてるかな……」

 スーリアはチューリップに顔を寄せた。
 毎日のように来ていた手紙が、この二日ほど途絶えた。なにかあったのだろうかと、心配だ。
 その時、ギシッと土を踏みしめる音がして、スーリアはハッとして顔を上げた。アルフォークが来たのかと思ったのだ。

「ルーエンさん……」

 スーリアは小さく呟いた。視線の先には魔術師用ケープを纏った、厳しい表情のルーエンがいた。
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