転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
 王女は少し吊り上がってきつい印象を与えている目尻を下げてにっこりと微笑んだ。
 金の髪を豪華に高く結い上げて、コルセットできつく締め上げられた細い身体に合わせたドレスはふんだんな刺繍が施されている。彼女のその見た目は、誰から見ても極上の美人の範疇に入るであろう。
「そっちは丁度よくてもこっちは丁度よくない!」と言いたい気持ちにぐっと蓋をして、アルフォークはその顔に美貌の微笑みを浮かべた。

「これはご機嫌麗しゅう御座います。プリリア王女殿下」

 アルフォークは身体を向き直し、すぐに丁寧腰を折って王女の前に跪いた。無言で片手を差し出されたのでその手をとると指先にキスを落とした。その態度にプリリア王女は満足げに口の端を少し持ち上げた。

「リアって呼んで。わたくしとアルの仲じゃない」
「私などのような者には恐れ多い事です」
「これは命令よ、アル」 
「仰せのままに、リア様」

 最初猫なで声だった王女はアルフォークが自分を『リア』と呼ばない事に腹を立ててキツい命令口調で命じた。アルフォークが言い直したことに満足したようで、また元の猫なで声に戻りにっこりと微笑んだ。
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