青い夏の、わすれもの。
「澪!深月さん!風くん!大楽くん!」


爽がわたしの名前を呼んだ。

そして、その後にも...。


わたしの視界に誰よりも早く入り込んだのは、深月さんだった。

白を基調としたカラフルな小花柄のワンピースがとても似合っていた。

わたしみたいにムリをしてヒールなんて履いてきていない。

とても自然体で、深月さんそのものという感じがした。

そして、その隣にいるのは......風くんだった。

同じクラスだからといってここまで仲良くなるなんて、信じられない。

風くんは昔から人気者だったけど、気が置けない特定の人としか話していないイメージがあったから。


深月さんなら、いいんだ...。

隣にいても、いいんだね...。


わたしの胸の中にあった赤い風船がひゅーっと萎んだ。

全身から血の気が引いて行くのが分かる。

それでも、なんとか爽の側まで歩いていった。

ぎこちなく笑いながら、わたしは疑問を口にする。


< 199 / 370 >

この作品をシェア

pagetop