秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
女性や子供の楽し気な声に誘発されるように私も海に飛び込みたくてうずうずする。

拓海をちらっと見ると、着ていたパーカータイプのラッシュガードを脱いでいた。
最近は特に仕事終わりにマンション最上階に備え付けられているジムで体を鍛えていて、いい具合に筋肉質の上半身を見てドキッとしてしまう。

普段見ているようで見ていない彼の体をチラチラと視線をむけては離して、を繰り返す。

「どうかした?」
「いや、色っぽくて」
「何が?」

色気を垂れ流していることを全く自覚していない。

私たちの前を通り過ぎる人たちが拓海を二度見しているのはそういうことだろう。サングラスだけじゃ隠せない。

私もラッシュガードを脱いで水色のビキニ姿になる。

「もう!何がじゃないよ!みんなから見られてるのはその色気のせいだよ」

持っていた大き目のバスタオルで彼の体を隠すようにそれを押し当てる。

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