秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
急に拓海が立ち止まり私の足も止まる。
そして道路の脇にとまる車の後部座席のドアを開けると「乗って」といった。
私は黙って従った。

「遅いわよ」

車に乗り込むとすぐに女性の尖った声が聞こえてきてすみませんと反射的に謝ってしまう。

声の主は運転席から顔を出して私を見ると、あぁあなたが?と含みのある笑みを浮かべる。
彼女は、黒髪ショートヘアが似合う小顔の女性で、喋り方から性格もサバサバしているのだろうが目がクリクリで大きいからそのギャップが印象的だった。

拓海がドアを閉めるとすぐに動きだす車。

「初めまして」

挨拶をした方がいいかと思ってそういった。
拓海が私にマネージャーの”スナガ”さんだよといった。

「こんにちは。あなたのお話はよく聞いています」

運転しながら単調にそう言うスナガさんにどういうふうに聞いているのかは聞かなかった。

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