秘密に恋して~国民的スターから求愛されています~
「一緒に寝ようよ」
「え…―」

拓海の家に泊まることになった。あのキスの後、私たちはシャワーを浴びて夕飯を食べた。食材がなかったから出前を取ってこれもまた拓海がお金を出してくれた。
そこまではいい、そこまではいいけど…。

一緒に寝ようよの言葉に私は固まった。
拓海が台本を読みながらアイスティーを飲んでいる横で同じように漫画本を読み、拓海が私のために常備してくれているクッキーを食べているときにそれは言われた。

「…え、」
「そろそろ寝る時間だから」
「…あ、うん。それはわかるけど…一緒に?」
「だって今までそうだったじゃん」

”今まで”の関係は終わりだと彼は言った。それなのにこれまでと同じように一緒に寝たりするのはどうなのだろう。
うん、とは言えない。でも、受け入れてといった彼に私は先ほど頷いたわけだしそれを反故にするのも違うような…。

パステルカラーのパジャマの裾をモジモジ握りながら私は言った。

「それは、やめておこうよ」
「なんで?」
「今までとは違うから…」

自分で言った言葉に赤面しつつ目を伏せていった。

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