恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「うわあああ、千秋さんって…私のこと、好きだよね」

一人しかいない部屋で大声で叫んでみたものの、すっきりするどころか益々気分が落ちていく。
どう思い出しても彼から好きと言われたことがない。愛してるは?いや、それもない。
好きになってほしい=好きだと思っていた。でも、よく考えるとこれは≒であり、好きというわけではない。

ただ、あの私を見つめる目、髪を撫でるときの手、全て好意がないとおかしいと思う。
じゃあ、どうして彼はそれを言ってくれないのだろう。

私は、親友の葉月に連絡をしてみた。

”忙しいところごめんね。ちょっと相談があるの。実は―…”

メールで簡潔に相談する。すぐに返事を求めてはいなかったけど電話がかかってきた。

「もしもし?!葉月?」
「うん、久しぶりだね!また今度お茶しようよ。ていうか、そんなことよりあのメールどういうこと?」


どうやら仕事は有給消化のためお休みらしく一日暇だったのだとか。
私は詳しく彼女に伝える。

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