恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「すみません、直前で」
「いいんだよ、それよりも俺の方が焦ってたから。ごめんね」
「いえ!あの…お詫びとも違うかもしれませんが、毎日一緒に寝るというのはどうでしょうか」
「…」
「我ながらいい案だと思うのですが。コミュニケーションも増えるし」


正直なところ、一人で部屋で寝る方が気を遣わないしいいのだけれど、千秋さんを好きになる努力をしたいと思った。
一緒に寝るのは夫婦にとって普通だよね。うん、…多分普通だよね。

喜んでくれるかと思ったのに、千秋さんの顔色は何とも言えないような困ったような顔をしていた。
あれ、なんか違ったのだろうか。

「うーん、嬉しいけど…相当な忍耐力がないと…自信がない」
「…自信?」

釈然としない回答に、私はフワフワの布団で体をさらに埋めながら千秋さんに近づいた。

「ダメ?」
「…はぁ、そんな可愛いおねだりどこで覚えたの?」
「え?おねだり?」

千秋さんは、観念したように「いいよ」といって笑った。

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