恋の駆け引きはいつだって刺激的【完結】
「嬉しいなぁ、好きになってくれるんでしょ?俺のこと」
「あ、まぁ、努力を…」
「嬉しい」

嬉しいってことは、千秋さんは私のことが好きってことだよね。そういうことだよね。
ただ、そういった言葉を直接的に伝えられたことはなかった。私なんかよりも大きな瞳で私を見据える。
そんな目で見られたら誰だって逸らしてしまうだろう。

朝からイチャイチャしてなんとも甘ったるい空気が寝室に流れていた。
まるで思春期の男女の雰囲気だ。でも、この雰囲気は嫌いじゃない。
フワフワして、甘すぎる空気に二人で流されるのも嫌いじゃない。


何度も私の頬や髪をなでる千秋さんの手が好きになっていく。
くすぐったいです、というと千秋さんは、だってずっと触れていたいんだもん、と子供っぽいことを言う。


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