お姫様は恋してる?
お開きになり、店を出て、二次会はどうするのかと思ったが、他のメンバーがそれぞれ別行動だと言うのだ。

「川田、高橋さんをちゃんと送るんだぞ。」

「わかった。」

香子を送るのは当然だ。

俺がいたのに1人で帰して何かあったら、困る。

香子は、一人暮らしを始めて、いままでのような派手な似合わない服やメイクをしなくなって、見た目は可愛くなっているから心配だ。

もう一件くらい行って、美味い酒でも飲みたいが仕方ない。

柴原の頼みだから来たが、もう次は他をあたってくれと言おう。

「合コン来たのに、お嬢様のお守りかぁ。」

つい口から出るのは、けんかを吹っかけるようなものばかり。

「ひとりで帰れるわよ。」

「そうも行かない。これで帰りに何かあったらお嬢様のせいで私の出世に響く。」

「あ、そう。」

「ただ、送る前にそこのカフェでコーヒーを飲んで行かないか。」

そのまま真っ直ぐ送るのが、もったいないような気がして、誘っていた。

「川田さんの奢りなら。」

「今後の確認もしたいから、ご馳走します。」

「じゃあ、行きましょう。」

香子をエスコートするように歩き出した。

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