お姫様は恋してる?
「お、香さん。お知り合いですか。」

俺の問いに香子は、そいつが誰か紹介してくれた。

「同じ職場の上司で、お世話になっている方です。」

そうか。

香子の表情で、気持ちも分かってしまった。

お邪魔な俺が去る事でうまくいくといいよな。

「それじゃ私はここで失礼します。香さんに御用のようですし。」

「ありがとう。川田さん。」

「健闘を祈ります。」

香子に聞こえるギリギリの小声で告げるとそいつに託して、次の電車で乗った。

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