お姫様は恋してる?
「一叶、いいか。」

「しゅ、秀介。何?」

でも、秀介は距離を空けて立っているから、話があるのかな。

「あのさ、大学生の…」

「今泉さんの事かな。」

「そう、そいつとは…これから会わないで欲しい。」

「お友達だよ。付き合わないって断っても友達グループとしては会う可能性はある。」

「でも付き合うって言われたんだよな。」

秀介の少し機嫌悪そうな表情に思わず聞いてしまう。

「ヤキモチ?」

「うん。俺より近くにいていいのは一誠と一貴くらいなもんだ。」

いつも余裕がある大人な秀介が、ヤキモチ妬いてくれた。

しかもそれをはっきり言ってくれたから、すごく嬉しい。

「ちゃんと私には好きな人がいるからって話すね。」

そう言うと秀介は私の顎を持ち上げ、啄むようなキスをして、惚けた私を残して部屋を出て行ってしまった。

えーっ。ここで行っちゃうの?

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