【完】この愛を、まだ運命だとは甘えたくない
あ、一応話せるんだ。 食事中に会話をしないのは、そう躾けられたせいだと小早川さんは言っていた。
だけど私から話を振れば一応答えてはくれるらしい。
祖父母と一日に起こった出来事を話ながら賑やかな食事を囲んでいた私にとって、食事中一切話をしないというのは気まずくて息がつまる。
「ラインでも言ったんですけど…今日荷物が届きました…」
「ああ…!届いたか!それは良かった!」
何故か伊織さんは嬉しそうに頬を緩めた。 子供の様な純真無垢な笑顔が、何だか切ない。 どうしてそんなに嬉しそうに笑うのだろう。
けれど私は知りたかったのだ。突然送られてきた大きめな段ボール二つの中には、所狭しとボヤージュのお菓子が入れられていた。
賞味期限を見て見ると一応日持ちをするお菓子らしいが、到底私が一人で食べきれる量ではなかった。
え?嫌がらせ? 私の事豚にしたいわけ?と勘繰りたくもなる。
でも何故か彼の子供の様に勝ち誇った笑顔を見ていると、口ごもってしまう。