王道みたいな恋をした日。

「ええ！？私だけクラスが違うの・・・！？」
「そうみたい…。ごめんね結衣・・・。」
「大丈夫だよ！きっと結衣かわいいからお友達出来るよ！」
小学校から同じクラスで大親友だった美由紀と春奈。二人と初めて離れたクラスになってしまった。こんなことは今までなかったからとてもじゃないけれど苦しかった。
「怖いよ・・・うまくやっていけるかな・・・」
私は引っ込み思案でいつも誰かに依存して過ごしていたからこの一日は本当に気持ち悪くなっていた。

新品の教科書を学校指定のかわいくないカバンに詰め込んで隣に座る人がどんな人かビビりながら見つめていた。
後ろの席の子は真っ赤なリップをつけていて、前の席の子はコンシーラーでにきびを消していた。そんな二人の間にいる私は櫛もリップも持ち合わせることがなく何となく恥ずかしい気持ちになりながら自分の近くに人影が現れた。
隣の席の子は男の子で、禁止されているパーカーを上着にしていた。
担任の先生は子供好きそうな女の先生でそれだけは安心できるなと思っていたけれども、隣も前後も怖すぎるので楽しめられなそうな学生ライフが始まったのだ