優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第28話 夜のおでかけ
食事の片づけをして、私が自分の部屋に戻るのを見るとお姉ちゃん達はホッとしていた。
ずっと監視しているのも疲れるみたいだった。
そのおかげで部屋に戻ると、私はもう何もしないだろうと思っている。
いつもなら、そうだけど今日は違う。
こつこつと窓がノックされて、窓を開けると渚生君がいた。

「準備はいい?」

「はい!もちろんっ――― !」

意気込んで窓に近寄ろうとして、ベッドの角に足の小指をぶつけてうずくまった。

「日奈子ちゃん、大丈夫?」

「だっ、大丈夫です」

痛みで声が震えた。
こんな肝心な時に私ときたら!
涙目になりながら、立ち上がり、うなずいた。

「降りる時、危ないから、ゆっくりで」

二階まで届く梯子(はしご)が立てかけてあり、私の鈍臭さを考慮してか、渚生君が先導しながら降りてくれた。
そして、こっちへと言うように手招きをして隣の家に入った。

「梯子は今園(いまぞの)さんがいったん回収してくれるからね」

「い、今園さん!?」

「大丈夫だよ。味方だから」

「は、はい」

どうして今園さんが?
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