優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
約束したけど、もう連休に会うことさえ、無理だと思っていたのに―――ドキドキしながら、平静を装って使った調理器具を洗っていると、緋瞳お姉ちゃんがにらみつけていた。

「いつから、渚生と遊びに行く関係なの?」

「そんな関係じゃないよっ……!」

ぶんぶんっと首を横に振った。

「水和子お姉ちゃんから壱哉さんを奪っただけじゃなくて、私からも渚生を奪うわけ?」

もしかして、緋瞳お姉ちゃんは渚生君を好きなの?
初めて知った事実に驚いていると、緋瞳お姉ちゃんは言った。

「渚生にまで手を出さないで!」

怒りながら、緋瞳お姉ちゃんが去って行った。
そして、いなくなった後で気づいた。
私という存在が初めてお姉ちゃん達のライバルとして目に映っていることに―――

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