優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
第52話 反撃
「日奈子さん、イベント成功おめでとう!」

「いえっ!私はなにも!皆さんのお力で!」

三日間のイベントはうまく行き、終わった後からも契約したいと言われ、好調に数字を伸ばしているらしい。
あの後、水和子お姉ちゃんは出社しても安島さんとずっと一緒にいて、秘書室から出てこなくなった。
イタリア食材フェア以来、皆の目は安島さんや水和子お姉ちゃんに冷たく、居づらいせいもあってだと思うけれど、今のところ嫌がらせは止んでいた。
今日はフェア成功のお祝いをしてくれると言うので、近くのレストランで手伝いをしてくれた人達や広報部、営業部からも集まり、大きな会を開いてくれた。
こんなすごいこと、今までの人生であったかな―――ない、絶対にない。
ぼっ~となりながら、甘いお酒を飲んでいると、壱哉さんが隣にいた。

「お酒は一杯だけにするんだぞ。日奈子はアルコールに弱いからな」

「はい」

しっかり次の飲み物のジュースを壱哉さんが持ってきてくれてあった。

「日奈子さん。もしかしてなんですけど」

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