優秀な姉よりどんくさい私の方が好きだなんてありえません!
「じゃあ、明日の会議資料でこれを三十部頼む」

「はい!」

原本をもらって、コピーがある場所を探した。
えーと。
一番近いのは営業部だから。
地図を書いたメモを見ながら、なんとかたどり着き、コピーを始めた。

「で、できたー!」

試しに一枚やってみたのを手にとった。
私もやればできるんだから!
感動しながら、順調にコピーしていると次に待っていた人が後ろから怒鳴ってきた。

「早くしてくれよ!」

「あ、す、すみません。あの、先にどうぞ」

「こっちは急いでるんだぞ!」

場所を譲ろうと、コピーが済んだ分を慌てて抱え込み、会釈すると手の中にあったコピー済みの書類がどさっーと雪崩のように床に落ちて行った。

「コントかよ」

コピー機の前で大笑いされてしまった。
しかも、それを見ていたのは一人じゃなく、営業部の人達まで見ていたらしく、皆から笑われて、恥ずかしさと自己嫌悪で俯くしかない。
自分があまりにもドジ過ぎて、涙目になった。
コピーすら、スムーズにできないなんて。
ふと視線を感じて、営業部の奥に目を向けると水和子お姉ちゃんがいて、胸の前に腕を組み、冷ややかな目で私の失敗を眺めていた。
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