The previous night of the world revolution~T.D.~
「はぁ、面倒くさ。何で大学ってところは、ぐだぐだぐだぐだと、面倒臭いレポートばっかり書かせるんですかねー」

「…」

「なーにが、『幼児教育論』ですか。幼稚園児以下の糞ガキなんか、皆猿なんだから、教育も糞もありませんよ。猿の厩舎のごとく、閉じ込めて放っとけば良いんです」 

「…」

猿相手に、まともな教育が通用するとでも思ってるのか?

馬鹿らしい。

仏像に算数教えてんのと一緒だよ。

「あー馬鹿らしい。何で俺、こんな下らない講義のレポートなんか書かされてるんですかねー。面倒くさっ」

「…」

「しかもこの後、『ルティス帝国教育史Ⅰ』のレポートも待ってるんですよ。本当、何でもかんでもレポートばっかり。嫌にもなりますよ」

しかもそのレポート、講義によって形式が違うの。

専用の用紙を渡されて、手書きで書いてこい、とか。

今時、手書きで文書作成なんて。いつの時代だよ。

じゃあ貴様らも、便利なプロジェクターなんて使ってないで、黒板に手書きしろや。

かと思えば、別の講義のレポートは、PCの文書作成ソフトで作成せよとの指示が出たが。

そのソフトも、横書きで、一行に何文字の文字数で、フォントは何で、何文字書いてきてくるかまで。

そんなん読めればどうでも良いじゃん、と言いたくなるような、細かい指示がついてくる。

何なの?あの教授。

一行に何文字の指定がされてないと、レポート読めない病気か何か?

国の指定難病だよ。お気の毒に。

不治の病なんだ。そうに違いない。

すると。

「でも…あの」

あん?

さっきから、俺の様子を、何故かハラハラしながら見ていた同居人。

その名もルーシッド…が、俺に声をかけてきた。

今苛ついてるから、下らないことは言わないで欲しいのだが?

「大学は、中学や高校と違って、答えのある試験ではなく…そういうレポートを通して、自分の意見を発信する場所ですから…。レポート課題が多いのは当然かと…」

…。

…イラッ。

「あのねぇ、俺はそんな正論を聞きたくて、わざわざ愚痴ってるんじゃないんですよ」

下らないことは言うなよ、と心の中でフラグを立ててたら。

本当に下らないこと言いやがった。

下らない奴だよ、全く。
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