The previous night of the world revolution6~T.D.~
「ルルシー…あなた…」

「アイズがぼやいてたんだよ。今はルリシヤがいないから、アリューシャがなかなか野菜食わないって。あいつ、カレーに入ってる野菜か、ルリシヤの野菜料理じゃないと食わんからな」

…話が、よく見えないんですが。

ルレイア殿の目が輝いてることは、よく分かる。

「仕方ないから、野菜微塵切りにしてチキンカレー作った。まずアリューシャに食べさせて、あと折角だからと思って、ルレイア達に…」

「ルルシーしゅき!」

「うわっ!くっつくな!カレー溢れるだろ」

まだ喋ってる途中だったのに、ルレイア殿はルルシー殿に飛びついた。

…。

…いや、これでも俺、帝国騎士団の隊長だから。

セクシャルマイノリティーに対する、差別感情は、抱いていないつもりだが。

それでも、机上で語るのと、実際に目にするのとでは大違いだ。

男の人が、男の人にくっついてる様を見せられると、なんかこう、やっぱり。

「お、おぉう…」って思う。

分かるだろうか。この気持ち。

噂には聞いていたけど、こんな感じなんだ。

誓って言うが、差別意識は持っていないつもりである。

性の多様性。これも性の多様性だ。

むしろ、良いじゃないか。この人が、こんなに幸せそうな顔をしているなんて。

一歩間違えたら、死神の鎌を振り回して、襲い掛かってくるような人なんだから。

そう思えば、うん。むしろ微笑ましい。微笑ましいと思おう。

「…おい、ルーシッド。お前、さっきから何か勘違いしてないか?」

と、ルレイア殿にくっつかれたまま、怪訝な顔をするルルシー殿。

「いえ…。何でもないです」

「…絶対何でもあるだろ…」

いえいえ。存分に二人の時間を楽しんでください。

鎌を持って振り回すんじゃないなら、何でも良いや。
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