The previous night of the world revolution6~T.D.~
「アイ公〜!ポテチあげる〜!」

「はいはい、ありがとうね」

半泣きのアリューシャを慰めるアイズである。

これじゃ、どっちが励ましに来たのか分からんな。

「…それで、一体何があったの?」

アイズが、語彙力崩壊したアリューシャの代わりに、俺に尋ねてきた。

だから。

「…自分の胸に、聞いてみたらどうだ?」

「…どういうこと?」

しらばっくれやがって。

「悩んでたんだろ?一人で」

「…」

「アリューシャが見たんだって、3キロ先のビルの上から、スコープ越しに」

「…あぁ、成程。さっき言ってたのはそれか…」

一人で悩んで、一人で納得してんじゃねぇ。

「…気にしてるのか?シュノやルーチェスを行かせたこと」

「…」

「ルリシヤにも、あんな指示を出したこと」

「…気にしてるのは、君じゃないの?ルルシー」

あん?

「そのせいで、ルレイアまで巻き込まれることになるんだよ。分かってるでしょ」

…この野郎。

話を逸らしやがったな。

「分かってるよ」

「なら、君の方が悩んでるんじゃない?」

「あぁ、悩んでるさ。落ち込んでもいるよ。ルレイアがあんな危険な目に遭ってるのに、俺だけぬくぬくと安全な場所にいるなんて、気が狂いそうなほど自責の念に駆られてるよ」

「えっ、ルル公もなの!?じゃあルル公にもポテチあげる!」

ありがとうな、アリューシャ。

ちょっと今は黙っててくれないか。

「でも、それはお前も同じだろ。…いや、俺以上に罪悪感を感じてるのはお前だろ」

「…」

いつも言ってるもんな。

自分の立てた作戦なんだから、全ての責任を負うのは自分だって。

少しは味方に押し付けたって、バチは当たらないだろうに。

頑なに、自分の肩にだけ乗せて、自分だけで抱え込む。

次期首領の責任感がそうさせるのか、はたまたそれがアイズの性なのか。

いずれにしても。

「…一人で抱え込むなよ、馬鹿。家族だろうが」
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