The previous night of the world revolution6~T.D.~
広い講義室は、サークルごとに様々なブースが作られていて。

キャッチセールスみたいに、それぞれのサークルの部員達が。

「演劇サークル興味ありませんかー!」とか、「サッカー同好会入りませんかー!」とか、新入生を勧誘して回っている。

本当にあるのかよ。サッカー同好会。

で、俺達の目指す先は。

「…うわ、結構人多いな」

「本当ですね」

『ルティス帝国を考える会』サークルのブースには、既に入部希望の新入生達が、かなりの数集まっていた。
 
へぇ。多いな。

予想以上だ。

これは…俺が思ってるより…事態を重く見るべきなのかもしれない。

そして。

「…あ」

「…」

外国語学部のオリエンテーションは、俺達より早めに終わったのだろう。

先にこのブースに来ていたルーシッドが、俺を見つけて小さく声を出した。

黙ってろよ、馬鹿が。

今、俺とお前の繋がりがバレたら、説明するのに面倒だろうが。

俺は無言で気づかない振りをして、代わりにブース内に展示されたパネルを見渡す。

パネルには、戦時中のプロパガンダか?って思うほどの、様々なスローガンが書かれたポスターが貼ってあった。

中には、現政治体制への批判を記した、長そうな論文も。

政治体制に関する、新聞記事の切り抜きなんかも貼り付けてあった。

へぇ…。

すると、ブースで案内をしていた上級生が、声をかけてきた。

「ようこそ、入部希望者ですか?」

「あ、はい」

「お二人共?」

「えぇ、そうです」

俺としては、まずこのパネルに貼り付けてあるものを、一読させて欲しいところだったが。

そんな悠長してる暇はなさそうだ。

「それは良かった。ようこそ、『ルティス帝国を考える会』へ。私は、会長のエリミア・フランクッシュと言います」

なんと。この人が会長だったか。

「丁度良かった。これから、私達の会でどんなことをしているか、どんな方針を掲げているかについて、新入生の皆さんに説明しようと思っていたんです。良かったら、あなた達もどうぞ」

と、

用意されていた、パイプ椅子を勧められた。

準備の良いことで。

「あ、はい。ありがとうございます」

俺もエリアスも、異論なくパイプ椅子に座った。

勿論、ルーシッドもだ。

これから、お世話になるサークルの説明会だ。

よっぽど「ご立派」な御高説を、聞かせてもらえるんだろうな?
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