The previous night of the world revolution~T.D.~
さて、いよいよ始まった、大学の講義。

実は大学の講義なんて、人生で初めてなので。

どんな感じなのかな〜、と思っていたら。

何のことはない。

帝国騎士官学校で習った範囲を、復習させられているようなもの。

一番最初に受けた、一時間目の講義は、『論文作成法A』という授業。

成程、やはり大学だから、論文の書き方を学んでおくんだろうと思ったが。

ただの、作文の授業だった。

もっと分かりやすく言うと、国語の授業みたいなもん。

それも、帝国騎士官学校だったら、一時限50分で済ませられるような内容を。

何故か、わざわざ90分というアホみたいに長い時間をかけて、延々ダラダラ喋るだけ。

初回だったからということもあって、学生は何もやらされることなく、ただレジュメを配られて、それを眺めてるだけ。

教師も教師で…いや、教師じゃなくて教授か。

教授の方も、自分で用意してきた、恐らく毎年使い回しのスライドショーを、ポチポチ流しては、そこに書かれることを読んでるだけ。

お前要る?

レジュメに書いてあることしか喋らないんじゃ、レジュメだけで良いじゃん。教授要らねぇ。

でもまぁ、この科目の教授が、特別やる気のない教授だったというだけかもしれない。

俺は自分の研究をやりたいんだ、新入生共の相手なんてしてられねぇよ、と思ってるのかもしれない。

で、気を取り直して二限目。

次の講義は、教室を変えて『外国語基礎Ⅰ』。

あれ?俺、教育学部に入学したんだよね?

何で、中高と似たような授業やってんの?

いや待て。外国語と言っても、幅は広い。

もしかしたら、俺が知らない、世界各国の少数民族が使う言葉を習うのかも…と。

内心、ちょっと期待していたら。

見事に裏切られた。

全然そんなことはなかった。

中高を通して普通に授業を受けているはずの、オーソドックスでスタンダードな外国語…アシスファルト語…及び。

選択科目として、シェルドニア語の授業も受けられますよ、とのこと。

それだけ。

既にマスターしている外国語を習うことが、どれだけ苦痛だったことか。

そういや、ルーシッドは外国語学部に入学したんだっけ。

あいつ、何語勉強してるんだろう。

折角大学来たんだから、まだ知らない言語を学びたいよな。

そして、先程の教授もそうだったけど。

この外国語の教授もそう。

猿でも分かりそうなことを、延々とダラダラ説明しているだけ。

教え方も、「お前本当に、ルティス帝国最難関の大学の教授か?」と疑うほど。

俺に講義やらせた方が、余程分かりやすいと思うぞ。

ランドエルスのときも、同じこと思ったな。

とにかく一日の授業、全部そんな感じだった。
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