The previous night of the world revolution6~T.D.~
「僕がいなくて、欲求不満じゃなかったですか?」

再会の挨拶が、凄く下衆。

「うん、超欲求不満だった!」

そうだったんだ。

そうとも知らず…いや…知っていたとしても、そちらの方は、何もしてあげられなかっ、

「そうですか。何人くらい手を出しました?」

「老若男女合わせて、ざっと10人くらいかな!」

嘘ですよね?

え?

…嘘ですよね?

「ルーチェス君は?私がいなくて、欲求不満だったでしょ」

「えぇ、それはもう」

「ちなみに、何人くらい?」

「お陰様で、老若男女合わせて20人は」

二倍。

え?嘘ですよね?

ルレイア殿の弟子だったら、あながち嘘ではないかもしれないと思うと。

恐ろしくて、本当のことを聞けない。

…せめて老人は外しませんか?

「そっかー。負けちゃったなー」

「えぇ。セカイさんもまだまだですね」

何の勝負をしてたんですか。

「でも、やっぱりセカイさんが一番美味しいですね」

「そっか。私もルーチェス君の味が忘れられないよ」

「じゃあ早速、帰りのヘリの中で…」

えっ。

ちょ、何の話を、

「…と、言いたいところですが、それはさすがに無理なんです」

良かった。

さすがにな?いかにルレイア殿の弟子で、お互い欲求不満だったとしても。

せめてそういうことは、夜になってから…。

…ちゃんと、部屋の中でしましょう。

それは大事なことだとおも、

「えー。残念だなー」

残念なのかセカイ殿。

「済みません。如何せん僕、ヘリ操縦しなきゃいけないもので」

「!?」

操縦!?

俺は、慌てて白ヘリを見上げた。

パイロットがいるはずの操縦席は、現在無人だった。

ど、どうやって滞空してるんだ?オート操縦?

「ルーチェス君、ヘリなんか操縦出来たんだ!凄いね!」

本当に凄い。

馬術なら、古い王族の嗜みとして、経験したことがあってもおかしくないと思ったが。

まさか、航空機の操縦まで嗜んでいるとは。

ルティス帝国王室、と言うかこの元皇太子、一体どんな教育を受け、

「あ、いや初めてなんですよ。来る前に本読んで、勉強してきました」

と、言って。

ルーチェス殿は懐から、一冊の本を取り出した。

そのタイトルは、

『猿でも分かる!ヘリコプターの操縦法』。

…。

開いた口が塞がらないとは、このことだった。

…まず、そんな本が出版されていることが凄い。

そして、そんな本を真に受けて、それ一冊でマジでヘリを操縦している、ルーチェス殿が凄い。

更に、

「さっすがルーチェス君!器用だね〜!」

それを当たり前のように受け入れ、全然動揺してないセカイ殿も凄い。

俺の語彙力が「凄い」しかなくて、それもそれで凄い。
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