劇薬博士の溺愛処方

「あの……飛鷹先生飲み過ぎじゃないですか?」

 怪訝そうな表情の三葉の言葉を気にすることなく、飛鷹は陽気に話しつづけている。ほんのり顔も赤らんでいるし、そろそろ止めた方がいいかもしれないなぁと思いながら、三葉は饒舌な飛鷹を眺める。

「ん? そういや三葉ちゃんの骨格が好みだ、って最初の頃は言ってたなぁ。あいつ整形だから胸や尻に欲情する以前に三葉ちゃんの長い手足で性的に興奮してたみたいだし」
「……それは慢性的に言われてますよ、身体がどストライクだった、ってあからさまに」
「ほうほう。それで一度距離を取ろうとしたんだっけ、けっきょく元サヤに収まってるけど」
「ええ、まあ」

 お酒を飲むペースが上がってきたからか、飛鷹の口調はだんだんと砕けていく。酔いもまわってきたのか、ふだん以上に親しげに三葉に絡む。

「そしたら今度は早漏でアッチが満足できなくなっちゃったかー。お互い不憫だなぁ」
「笑わないで下さいよ。こっちは深刻なんですから」
「悪い悪い、大倉の早漏を治したいなら行動療法が手っ取り早いよ。ただ、彼ひとりだと嫌がる可能性があるからーーこのあと、ホテルで相互観賞の実地練習しようか?」
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