人間を好きになった、魔界の王の娘
2階に連れていかれて
さっきの部屋に入ると

「これと、これに着替えて」

はい?

「こんな派手な服装に?」

「そう。早くして。悠翔が来ちゃうから」

どういう事?
言われるがままに着替えたけど
あたしよりも身長のある夢の服は大きくて

「我ながらいいチョイス」

これが・・・?

「さて、悠翔はどう出てくるかしら」

下に戻ると

「あら、夢の服を着てるのね」

「そう。意外といいでしょ」

「そうね。
さて、食べましょう」

そう言って、ご飯をよそい始めたおば様

お箸をもって、おかずを口に入れようと取った瞬間

「え?」
「あら」

何で

「思ったよりも早いじゃん。悠翔」

「早いじゃん。じゃねぇよ。
家を飛び出したって言うから、慌てて」

慌てて・・・?

「しかも、何で実家なんだよ。
俺は聞いてねぇぞ」

「だって言ってないもん。
悠翔が、こうでも言わないと帰ってこないことくらい分かってるから」

そうなの・・・?

「しかも、帰って来た初日に食事を作らせるわけがないでしょう?」

あーだ、こーだ言っている3人を他所に
端っこにずれて食べようとしたときだった

「奈未ちゃんって言うんだ?
俺、燿(ヒカル)あそこで、夏希の面倒を見てるのが由香(ユカ)
一応、中学生」

チュウガクセイ?

「夏希とは一回り離れてるから
俺達も心配なんだけど、でも、人見知りもしないから良かった。
ゆっくり食べて行って」

そう言って夏希ちゃんの所に行ったユウ君

< 26 / 138 >

この作品をシェア

pagetop