秘密の秘密は秘密じゃないのかもしれない
夜になり、また雅臣さんからの電話がなったが私は出ることができなかった。

ピンポン

まさか?

インターホンを見ると雅臣さんが立っていた。

震えは手で応答ボタンを押す。

『はい。』

『真帆?やっと出てくれた。ごめん。土曜日いけなくて。直接話したいんだ。開けてくれないか?』

返事ができなくて困ってしまう。
雅臣さんの声を聞いたら会いたいと思ってしまった。
でも怖い。

『真帆…会いたいんだ。』

その切ない声に私の胸は苦しくなる。

ガチャ

鍵を開けると雅臣さんがドアを開き入ってきた。

私を見ると抱きしめてきた。

「真帆、会いたかった。」

「……。」

「土曜日はごめん。本当にごめん。仕事が終わらなかったんだ。約束破ってごめん。」

「だ、誰といたんですか?」

「宮川文具の人たちだよ。」

「嘘…。」

「嘘?嘘じゃないよ。」

「もういいです。やっぱり無理。」

私は雅臣さんをドアから押し出した。

ドアの外から雅臣さんの声が聞こえてきた。

「真帆?どういうこと?」

「雅臣さん女の人といたじゃないですか。名前も呼び捨てにされて…あんな声で…もう嫌。」

「真帆、何言ってるの?わからない。」

「もういい!帰って。」

「真帆!」

私は布団の中に潜り込んだ。
雅臣さんの声なんて聞きたくない。

しばらくドアの外で声がしていたがそのうち聞こえなくなった。
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