キミを描きたくて

Side Hayato

連日の猛暑で中々買い物ができず、食料がほとんどない。
少しでも涼しい時間にと、夜に買い物にしようと決めた。

繁華街の方にある、24時間スーパー。
美味しそうなチーズケーキが、2割引。

2個入り。…依茉ちゃんと、食べたいな。
あの子はケーキ好きだから。コーヒーでも入れて。


そんなことを考えていると、不意に嫌な予感が走る。
背中にツーっと、汗が流れた。

なんとなく、依茉ちゃんに会わなきゃいけないと思った。彼女が拒否したとしても。


そう思い立って早足で買い物を終わらせる。
もちろんケーキも一緒。

スーパーから出ると、遠くに綺麗なブロンドヘアーが見えた。絶対に依茉ちゃんだ。

近くにはどうやら男がいるようで、買い物袋をぎゅっと握りしめる。
僕の天使なのに。そうふつふつと怒りすら湧いてくる。


「お、可愛い子いんじゃーん」
「ハーフ?髪染めてんの?」
「俺たちと遊ぼうよー」


近づくとだんだん声が聞こえてくる。
それと同時にイライラとしてきて、少し小さく舌打ちをする。

依茉ちゃんはなんて断るんだろう、なんて考えながらあるくと、想像もしない声が聞こえた。


「……まあ、少しなら____」
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