キミを描きたくて
美桜ちゃんに、もっと人間に興味をもてと散々怒られてから数日経った。
7月、梅雨が通り過ぎ、次は夏休みだねー、なんて話していた朝のこと。
「早見依茉って子いる?」
「きゃーっ、紫月様!!」
クラスの女子生徒が騒ぎだす。
うるさいなぁ、そう思いながら数学のテキストを解く。
昔から勉強と絵、あとは音楽とか本など、家でできるようなことが大好きだった。
運動は小さい頃から喘息で出来なくて、今も出来ないまま。
それは苦手とかじゃなくて、能力的なもの。
走ると今でも発作が起きる。
「早見依茉って子、知ってる?」
「も、もちろん!うちのクラスの姫ですから!!」
依茉〜!なんて呼ばれる。
顔を上げると、女子生徒がこっちを見ていた。
そして、その奥には人物画に描きたいと思った人。
「...なんですか」
「何、人物画断られて嫌いになっちゃった?」
「......?」
「紫月様、この子にそんなこと言っても無駄ですよ!紫月様のこと知ったのつい最近なんですから!」
「...ファンじゃなかったんだ?てっきりファンだと思ってたよ」
「この子は絵っていう結婚相手がいるんですよ〜!」
そんな風に茶化す。
全く話さない私を、またあの目で彼が見た。
7月、梅雨が通り過ぎ、次は夏休みだねー、なんて話していた朝のこと。
「早見依茉って子いる?」
「きゃーっ、紫月様!!」
クラスの女子生徒が騒ぎだす。
うるさいなぁ、そう思いながら数学のテキストを解く。
昔から勉強と絵、あとは音楽とか本など、家でできるようなことが大好きだった。
運動は小さい頃から喘息で出来なくて、今も出来ないまま。
それは苦手とかじゃなくて、能力的なもの。
走ると今でも発作が起きる。
「早見依茉って子、知ってる?」
「も、もちろん!うちのクラスの姫ですから!!」
依茉〜!なんて呼ばれる。
顔を上げると、女子生徒がこっちを見ていた。
そして、その奥には人物画に描きたいと思った人。
「...なんですか」
「何、人物画断られて嫌いになっちゃった?」
「......?」
「紫月様、この子にそんなこと言っても無駄ですよ!紫月様のこと知ったのつい最近なんですから!」
「...ファンじゃなかったんだ?てっきりファンだと思ってたよ」
「この子は絵っていう結婚相手がいるんですよ〜!」
そんな風に茶化す。
全く話さない私を、またあの目で彼が見た。