粗大ごみを拾ってしまった(番外編その2)大森VS巫女の壁ドン問題
<天界の神殿前・>

瞑王が文字を音読した。

<アレルギーを治療するためには、
現世では暴露(ばくろ)療法が
いいと聞いています。>

「ふん・・
少しずつ、アレルゲンを入れて慣らしていく・・てやつね」

防護服の霊体は、うなずく動作を見せた。

<私は瞑王様のお役に立ちたいと
思っています>
<アレルギーのお薬も使うので、
何とかなります>
<やらせてください!>

「あー、大森、どうする?
リシェルはやりたがっているけど」
瞑王は大森を見上げた。

大森は冷静に答えた。
「まず、獄界、それが無理なら、
現世の私のオフィスに来ることができますか?

私はここには、
単独で来ることはできません。

それに実際に活動するのは、
現世になりますから」

「だってさ・・リシェル」

瞑王は防護服の頭をそっとなでた。

防護服の霊体は、
うなだれているように見えた。

「次の仕事がありますので・・
瞑王様、よろしいでしょうか」
大森は静かに言った。

「また、連絡するわ、リシェル、
じゃあね」

座り込んでいる防護服の霊体を
その場に残して、
瞑王と大森は神殿を後にした。
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