【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「みたいだな」
 
「ね……フフフ」
 
 他人が夫婦になるのって、そんな簡単なことじゃない。だけどわたしたちは、こうして夫婦になっていく。
 こうして何度もぶつかりながら、何度も助け合いながら、夫婦になっていくんだ。

「そういえば、藍」

「何だよ?」

 わたしは藍に質問したいことをすることにした。

「藍、もうすぐ誕生日でしょ?」

「ああ。そうだったな」

「誕生日プレゼント、何かほしいものはある?」

 わたしがそう問いかけると、藍は「そうだな……。何かあったかな?」と考え出した。

「何かほしいものあったら、言ってね」

「そうだな……。強いて言うなら、透子の手料理が食べたいかな」

 と、藍はわたしを見ながら言った。

「え?そんなのでいいの?」

 と聞き返すと、藍は「゙そんなの゙じゃなくて、゙それが゙いいんだよ」と言ってくれた。

「……分かった。何か食べたい物あったら、何でも作るから言ってね」

「分かった。透子に何を作ってもらうか、考えておかないとな」

 藍は嬉しそうに微笑みながら、そう言っていた。

「作れるものなら、何でも作るよ」

 藍の誕生日、だしね。
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