【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉
【15.藍の誕生日②】


 そしてあっという間に、藍の誕生日の日を迎えた。

「藍、おはよう」

「おう。おはよう透子」

「藍、今日……早く帰ってこれる?」

 わたしは起きてきた藍に、真っ先にそう聞いた。

「ああ。早く帰って来るよ、必ず」

「……うん。待ってるね」
 
 わたしは藍にそう伝えると、思いっきり微笑んだ。

「藍。誕生日、おめでとう」

「ありがとう、透子」

「今日、美味しいご飯作って待ってるからね」

 わたしは藍にそう伝えると、藍は「それは楽しみだな」と微笑んでいた。

「藍のために、一生懸命頑張るからね」

「透子のその気持ちだけで、俺は充分だよ」

 藍はいつも優しいから、そう言ってくれる。

「愛してるよ、透子」

「……うん」

 そして藍は、こうやって甘くて優しいキスをいつもくれる。その度に心が疼いて、キュンとする。

「今日はもう出かけるよ」

「え、もう?早くない?」

「今日は早く帰りたいから、ちょっとだけ早く出たいんだ」

 藍はそう言うと「顔洗ってくる」と言って洗面所へと行った。

「愛してるよ、か……」

 その一言が、どれだけ嬉しいことか……。
< 131 / 157 >

この作品をシェア

pagetop