【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「藍、行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 仕事に出かける藍を見送ったわたしは、気合を入れるために一旦伸びをする。

「じゃあ、やりますか。 ね?」

 赤ちゃんにもそう語りかけ、わたしはまずは部屋の掃除と洗濯をこなす。部屋の掃除機をかけ、洗濯を回している間に部屋の飾り付けを始める。

 藍に少しでも喜んでもらいたいから、飾り付けもシンプルだけど可愛くしたいなと思う。わたしっぽい感じなんて、分からないけど……。

 100円ショップで買ってきた材料たちを組み合わせていきながら、飾り付けをするのってちょっと楽しいなって思った。

「まさかわたしが、夫のためにこんなことをする日が来るなんて……」

 想像もしてなかったし、したこともなかったよ……。

「藍にはたくさん、喜んでもらいたいね……。ね?赤ちゃん」

 お腹に手を当てて赤ちゃんに話しかけてみると、わたしの言葉に反応したのか赤ちゃんが動いていた。

「あ、動いてる……」
 
 赤ちゃんもきっと、嬉しいんだろうな。パパの一年に一度の大切な人、だもんね。
 一緒にお祝い、しようね。……三人で、大切な日を。
< 132 / 157 >

この作品をシェア

pagetop