【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉

　あんなクズ男の子を【妊娠した】という事実を突きつけられたわたしは、その次の日高城藍をホテル・カナリアの一室に呼び出していた。

「透子、俺だけど」

「入って」

　部屋のドアを開けた高城藍は、静かに部屋の中に入ってきた。

「ちょっと、どういうこと？」

「何がだよ？」

「とぼけないでっ……！」

　わたしは高城藍に近寄り、そう言葉を言いながら詰め寄った。

「正真正銘、アンタのせいなんだけど……。どうしてくれるのよ！？」

「だから、何の話だよ？」

　またそうやってシラを切るつもり！？サイテー！
　どこまでクズなのよ！このクズ御曹司……！

「アンタのせいだから！　アンタのせいでわたし、妊娠しちゃったのよ……アンタの子を！」

　とぼけようとする高城藍に、わたしは怒鳴りつけるように言葉をぶつけた。
　
「そっか……。やっぱり妊娠したのか、俺の子」

「やっぱり……？」

　だけどそう言った時の高城藍の表情はまるで、そのことを分かっていたかのような表情をしていた。
　それでわたしは悟った。この男は、わたしが妊娠することにﾞ賭けたﾞのだと。

「アンタ、わざとなの？」

　わたしはそう言って高城藍の反応を見た。

「はっ？」

「アンタ、わたしが妊娠するように仕組んだの？」