【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈改稿版〉
【5.三度目のプロポーズ】
「教えて。どこで……? どこで会ったの、わたしたち」
わたしは気になって聞いてみた。
「俺が夕月園に泊まりに行った時だ」
「……え?」
藍、夕月園に泊まったことがあるの……? 知らなかった。
「俺が夕月園に一人で泊まりに行った時、その時に初めて君と会った。……まだ君が、若女将になったばかりの頃だったかな」
わたしが若女将になったばかりの頃……? え、まさか……。
「まさか、あなたあの時の……」
「思い出してくれた?」
思い出した……。高城藍は、あの時わたしを助けてくれた人だったんだ……。
「……まさか、わたしを助けてくれたのがあなただったなんて」
「俺で残念だった?」
「……いや、別に」
それは三年前。わたしがまだ夕月園の若女将になったばかりの頃のこと。
お客様同士が酔っ払っていてケンカをしていた。そして止めに入ったわたしを、一人のお客様が突き飛ばしのだった。
そしてその場に倒れ込んでケガをしたわたしを助けてくれたのが……高城藍だったんだ。
「その時、君を見てビックリしたよ。こんなに可愛い若女将がいるのか、ってね」
「そ、そんな大袈裟な……」
わたしがそう言うと、高城藍は「大袈裟なんかじゃないさ。本当のことだからね」と言った。