【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「高城透子さーん、診察室へどうぞ〜」

「はい」

 受付を済ませてしばらくして、わたしは診察室へと呼ばれた。

「高城さん、おはようございます。体調はいかがですか?」

「んー……。でもやっぱり、少し食べてしまいますね」

 体重を増やしすぎてしまわないようにコントロールしないといけないのに、やはりちょっと食べてしまうのが悩みだ。

「そうですか。 では診察、始めましょうか」

「よろしくお願いします」
 
 順番に超音波検査、血圧検査などを行っていく。

「うん。赤ちゃん、順調に育ってますねぇ」

「そうですか……。良かった」

 赤ちゃんがちゃんと育っていると分かると、やっぱりどこか安心してしまう自分がいた。

「分かる?ここが心臓よ。ここにはね、頭があるのよ」
 
 こうしてエコーで見てみると、赤ちゃんが少しずつ育っているんだと分かるから、不思議だ。

「……はい。本当に、赤ちゃんいるんですね」

「そうよ。いるのよ、赤ちゃんが」

 だけどこうやって見て思うのは、赤ちゃんがいることで、母性みたいなものが生まれてきたことだ。 自分の中に、不思議な感情が生まれる。
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