【溺愛結婚】懐妊後、御曹司から猛烈に溺愛されています。〈完結〉


「……可愛いですね、赤ちゃん」

 こんなに小さくても、ちゃんと生きてることが分かる。……不思議だ。
 こんなに小さくても、赤ちゃんがちゃんと育っているということを思うだけで嬉しいのは、わたしが母親だからだろうな……。

「可愛いでしょ?そう思えるようになってきたってことは、あなたも母親だっていう自覚が出てきたってことよ」

「……はい。赤ちゃんって、偉大ですね」

 赤ちゃんがこうして生きているだけで、不思議とホッとする。

「高城さん、体重は少しずつキープ出来てるみたいだから、そのままキープ出来るといいわね」

「分かりました」

 食べすぎないように、気をつけないようにしないと……。
 少しコントロールしないと、ダメだね。

「来月また様子を見ますので、来てください」

「分かりました」

「お大事に」

「ありがとうございます」

 検診を終えたわたしは、そのまま会計を済ませて病院を出た。
 エコー写真を見てやっぱり思う。嬉しいって。

「良かったね。元気に育ってるって」

 なんてお腹の中の赤ちゃんに話しかけてみると、前よりもちょっとだけ愛情が沸いた。
< 83 / 157 >

この作品をシェア

pagetop