【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 ヴォルフは狼の時みたいにペロッとわたしの唇を舐めると、低い声でささやいた。

「おまえをたくさん気持ちよくさせたい。声が出るのは気持ちいいからだろう? おまえが悦びを感じているんだって、俺に教えてくれ。感じたままに声を上げてほしいんだ」

 わたしがこくりとうなずくと、ヴォルフはわたしの胸に戻り、舐めたりつまんだりする。

「ああ! 気持ちいいの、ヴォルフ、ヴォルフ!」
「マリアーナ」

 欲望を秘めたかすれ声に呼ばれる。

「下もさわっていいか?」
「下……?」

 それは、さっきから疼いている足の間?
 ずっとどきどきしているのに、ヴォルフにさわられたらどうなってしまうんだろう。

「……そこも食べるの?」
「ぐっ……」

 ヴォルフは眉間に皺を寄せ目を閉じて、何かをこらえるように唸った。

「ああ、マリアーナ、いいか?」
「……食べて。ヴォルフがしたいこと、して?」

 目を開いた時には、ヴォルフの瞳に焼ききれそうなほど熱い炎が宿っていた。


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