【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
「なんだかくすぐったい」
「もう少し強くしてもいいか?」

 わたしはヴォルフが舐めているのと反対側の胸の先端を自分の指でさわってみた。

「このくらいなら、なんともないわ」

 ふと見上げると、ヴォルフはまた口を片手で覆って激しく肩で息をしている。

「ヴォルフ?」

 くぐもった声で独り言をつぶやいている。

「落ち着け、俺。相手はマリアーナだ。大切にしなければ。落ち着くんだ」

 ヴォルフは目だけはギラギラさせながらも、口もとにはいつもの穏やかな微笑みを浮かべた。

「マリアーナ、今は俺にさせてくれ」

 ヴォルフはまた左胸を舐めはじめた。さっきより少し強めに吸ったり唇で挟んだりする。
 右はヴォルフの太い指が撫でている。骨ばった見た目よりもずっと繊細な動きだった。

「ぁん、あ……あぁん!」

 その時、強い痺れが走った。
 違う、痺れじゃない。

「あぁ、ヴォルフ、変な声が出ちゃう。……これが快感なの?」
「ああ、そうだ。声を我慢するなよ」
「でも、恥ずかしい」
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