【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 しかも、守ってさしあげたくなるような慎ましやかな気性で、女性神官の間ではお世話係への立候補が相次いで……。
 わたくし達女性神官はこのまま穏やかに聖女様との毎日が続いていくものだと思っていたのです。





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 状況が変わってきたのは、聖女継承の儀からでしたでしょうか……。
 王宮で執り行われた儀式で騒ぎが起きたらしいのです。聖女様が手をかざした途端、聖なる水晶が燃えあがり黒く変色したとか。
 儀式のあと、すぐに聖女様は大神殿にお戻りになられました。本来ならひと晩王宮に泊まり、初夜の儀を行う予定になっていたのですけれど。

「聖女様……、きっと何かの間違いですわ」
「すぐに外出のお許しも出ますから、元気を出してくださいませね」

 念のため聖女様には外出を控えていただくように、神殿長から指示がありました。
 聖女様はようやく最近大神殿に馴染んでこられたのに、またお気持ちが沈んでしまいそうで心配です……。
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