【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~
 聖女が神殿に上がるための準備に与えられた猶予は十日間。

 その間、体調が優れないからとモーリーンは部屋にこもり、わたしもその看病のためという名目で外に出してもらえなかった。
 実際は、わたしがモーリーンの身代わりになった時、多少陰気でも病みあがりという理由でうやむやにできるようにするためだ。

 モーリーン自身はしばらくわたしのふりをしてから、やはり体調を崩したという理由で、隣町の叔父夫婦の家に静養に行くことになった。
 そして、ひと月かふた月ほどしたら、別人のように回復した『マリアーナ』が帰ってくるという段取りだった。

 いくらわたしとモーリーンが似ていると言っても、そんな冗談みたいな計画がうまく行くはずがない……。
 否応なく聖女になることが決まってしまったわたしは、不安で不安でたまらなかった。



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