【書籍化&コミカライズ】身代わり聖女の初夜権~国外追放されたわたし、なぜかもふもふの聖獣様に溺愛されています~

3.聖獣さんの巣作り



 女神様の現身である白い玉が消え去ったあともいろんな衝撃が心に残って、わたしは呆然としていた。

「マリアーナ、少し休むか?」
「えっ」
「ぼんやりしてる。疲れただろ?」

 顔をのぞきこまれて、鼻先にちゅっと唇があたる。

「ヴォルフ……。わたし、あんな大切なこと、勝手にお願いしちゃってよかったのかしら……」
「聖女の話?」
「そう。聖女がもうこの国に現れないなんて……。わたしのせいで、みんなが不幸になったらどうしよう」

 話しているうちにオロオロしてくる。
 わたし、国の行く先を決めるような、大胆なことをしてしまった……。

「マリアーナは聖女ひとりにすべてを背負わせるのは間違ってるって思ったんだろ?」
「うん……」
「誰かに――たとえば人間の偉いやつらに相談したら、マリアーナの気持ちは変わったのか?」
「それは……ないと思う」
「じゃあ、いいんじゃないか?」
「え?」

 優しく労るように抱きしめられる。大きな手が髪を撫でてくれる。
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